『アンソロジー おやつ』
いただきがこんがりと、狐色に焦げた皮の上にふりかかっている粉砂糖は舌の上で、春の淡雪よりも早く溶けて、その甘みは捉えることも出来ないうちに消え、卵黄と、牛乳(ミルク)と、ヴァニラの香(にお)いが唇一杯にひろがる滑らかなクリイムは、その日の朝焼かれたものなのに皮になじんで、皮の内側はクリイムの牛乳を吸いこんでしっとりとしている。(6-7P)
様々な作家によるエッセイのアンソロジー。おやつがテーマとなっている。古川緑波がマカロンの話をしているのが意外だった。もっと最近のお菓子かと勝手に思っていたので。森茉莉のエッセイは本当に上品で良い。